河原后里(かわはら みさと)
ファイナンシャルプランナー/マネーマインドコーチ
外資系生命保険会社に入社後、商品/税務チームに在籍し、営業社員に向けて税金の知識や社会保障や金融知識の教育をする仕事をしていました。後に、独立系FP団体に所属し、海外金融を学び、セミナー開催やコンサル業を行う。
現在は、ロジカルシンキング、コーチング、キャリアプランニングなどの企業研修や金融機関向けの教育などのセミナー講師として活動中。Dynamic Creation合同会社 代表
河原后里さん:お金が増える人と増えない人の違いというテーマでお話させていただきます。いつもセミナーでみなさんにお聞きしているのですが、「あなたにとって、お金とはなんですか?」。それから「いくらお金があれば安心ですか?」。自分にとってお金とはなんなのか。言語化して考えてみてもらっていいですか?ちょっと考えてみてください。そして前後左右の方と少しお話してみてください。
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ありがとうございます。普段、みなさん触ったり使ったりしているけれども、実は自分にとってお金とはなにかというのを改めて考えたことっていうのはないのではないでしょうか。
どうしてこういう質問するかというと、前職では歩合制の営業職員の方でトップクラスの方ですと1億円くらい稼いでいる方もたくさんいたのですが、その中でもあまり幸せそうじゃない方もいました。お金があれば必ずしも幸せじゃないと感じました。いくらお金を持っていても幸せじゃない人がいるのはなんでだろうって思ったんです。
一方、そんなにお金を持ってなくても幸せそうな人っていうのもいて、”お金と心”というテーマにとても興味を持っていました。
お金と向き合うということをした過去の体験をお話させていただきます。
この写真はヒッチハイクをしたときの写真です。
私は今、会社経営をしていますが、独立したての頃はなかなかうまくいかなくて、全財産で1万円を割ってしまったことがあります。
そのときにある経営者の方から「本当にお金の恐怖を克服したいなら3ヶ月間、自給自足の生活をしてみなさい」と言われました。その方は資産が20億円もあるような方なのですが。
いきなり自給自足生活をはじめることができなかったのですが、今すぐ私にできることとしてやってみたのがヒッチハイクでした。
3年くらい前のこの日、私は夜の7時から渋谷でセミナー講師のお仕事があったのですが、1時に静岡の伊豆にいました。
そこから6時間で、一切お金を使うことなく東京まで帰ってこられるか、というチャレンジをしました。
結果としては本当のギリギリで小説のように、7時ぴったりに会場につきました。
この日の私たちはいっさいお金をつかうことなく、ごはんを食べたり、車に乗ったりできているのです。
それは、ある種、自分がお金ではなく、ワクワクとか楽しいとかそういった体験を提供してサービスと交換をすることができていると感じました。
つまり、お金というのはひとつの便利なツールであって、お金がなくても、何かしらの交換をすることで代用できるということを知りました。
といったところで、お金が持つ4つの機能について。
こんなことがよく言われています。
1つめが交換。
お金と物を交換することで物を購入することができますよね。
2つめは保存。
皆さんご存知のように昔は物々交換をしていたのですが、例えば、魚とイノシシを交換するというとき。
どちらも置いたままだと腐って価値がなくなってしまいますが、お金というツールであれば価値を保存することができるようになりました。
3つめは尺度。
例えばイノシシ1頭と魚10匹が等しいという交換があったとき、お金というものがあることで、すべての物に対して共通に等しくはかれるようになりました。
4つめはお金独特の機能ですが、増殖です。
お金には利子がついたりしますね。お金はお金があることで増殖することがあるのです。
お金について、みなさんが思うことはいろいろあるんですが、実は4つの機能を持ったアイコンに過ぎないのです。
次に、お金と上手に付き合うための心得をお話させていただきたいと思います。こちらもよくセミナーでみなさまにお話させていただいております。
お金に絶対的な価値はないということ
これがどういうことかというと、当然ながら、お金の価値というのは常に変わっていきます。為替レートなどがそうですよね。
そして、お金は自己実現のためのツールであり、旅行に行ったり欲しいものを買ったりできますが、お金がすべてを解決するわけではないということです。
お金に良い、悪いはないということ
例えば、”包丁”は、料理に必要ですし、包丁がないと困ると思います。一方で、包丁で人を刺してしまうと凶器になりえます。
それから”保険の営業マン”。世間にはあまりいいイメージを持たれないことも多いのですが、しつこい営業マンもいれば、中には素晴らしい営業マンもいらっしゃいます。すごく親切で人格的に素晴らしい方もいらっしゃいます。
これらと同様に、お金に良い、悪いがあるわけではなく、使う人や使い方によって良い、悪いが出てくるものであり、お金そのものには良い、悪いはないということです。
お金関連のセミナーとしては、ちょっと珍しいお話をしているんじゃないかと思います。
私がこんな風にお話している背景としては、お金のIQとEQという話につきます。
IQというのはみなさんも聞いたことがあるかと思います。知能指数のことで、これが高いことは高い知能を表しています。
そして”お金のIQ”というのは、お金をどうやったら増やせるか、投資や運用でどうやってお金を増やすのかという知恵や知識のことです。
これは普段、参加されるようなセミナーでもお聞きになる機会もあるかなぁとおもっております。
一方で、今私が前半部分でお話してきたのは、お金のEQについてです。
EQというのはあまり聞き慣れない言葉だと思います。”感謝できる心の平安”と表現しましたが、さきほどの話に戻ります。
1億円を稼いでいる営業マンの方でも幸せそうに見えない方がいらっしゃるというお話をしました。その方はお金のIQは高めていらっしゃるかもしれませんが、お金のEQについては学んだり育ててくることがあまりできなかったために、お金をどんなに持っていても幸せではないという状態になってしまっていると思うんです。
この考え方は、もしかしたらみなさん聞いたことあるかもしれませんが、ベストセラーになった「ユダヤ人大富豪の教え」を書いていらっしゃる本田健さんの著書にもこういったことが書かれています。
以前、本田健さんの講演会に参加した際、このようなお話をされていました。
1. お金のもらい方が今の幸せを決める
2. お金の使い方が未来の豊かさを決める
3. お金ではなく人生を信頼すること
4. 大好きが幸せにお金を運んでくる
5. 分かち合いでお金も仲間も増える
こういうこと考え方を意識して生活していると、お金との幸せな付き合い方ができるのではないかな、と思います。
1億円を稼いでいても幸せじゃない方、お金を稼いでいなくても幸せな方。この違いはこの5つに表されるんじゃないかな、と思いながら講演会を聞いていました。
というわけで、これまで、お金のEQ、つまり、お金とどうやって付き合っていったら良いかについてお話していますが、
お金のIQについても否定するつもりは一切ありません。この2つをバランスよく学んでいく必要があると思います。
次回
お金のIQについて、FPっぽい知識なども交えながら!
ぜってぇ見てくれよな!