サービスを計画したり作っていくに当たって、ありがちなことが”ユーザーが無関心な機能に大量のリソースが投下される”という問題。
朝令暮改(ちょうれいぼかい)と揶揄されたり、昨日苦労した作業がまるまる無駄になるようなこともしばしば。
肩幅的には、一番大事なことは、目線を合わせた議論だと思っている。
そこでおすすめなのが、狩野モデルである。もちろん狩野英孝氏とは関係ないと思う。
そのサービスや機能が提供された場合、されなかった場合のそれぞれどう感じるかという質問への回答の組み合わせによって、提供しようとしているサービスや機能がどういうものかというのを判断するためのモデル。
確か東大の、おそらく狩野さんという方が提唱したものだ。
性能品質要素・・・ないとムカつき、あるととても喜ぶ。
魅力品質要素・・・マジ?気がきくわー的な要素で差別化につながりやすい
基本品質要素・・・ないとかありえなくなーい的な要素
無関心品質要素・・・どうでもいいな的な要素
逆品質要素・・・え?これないほうがよくない??的な要素
これはターゲットやタイミングや状況にもよりけりだからちょっと面倒だけど、僕は議論を”きちんとする”ということが大切で、この狩野モデルはそれを助けるものだと思っている。
声の大きい人のなんとなくや、偉い人のなんとなくで、根拠がないままやられたものを翌日に別の人に突っ込まれてやり直すことが減らせると思うわけだ。
声の大きい人も偉い人も、別に仕事を増やしたいという目的があるわけではない。やり方がわかっていないだけなんだ。
かくいう、自分だって、不要な機能にこだわりを持ってしまうことは、よくやりがちで、後から振り返るとオーノー、過去の自分に中指を立ててやりたい・・・って思うことはよくある。
これは”誰が”とか”どんなタイミングか”や”どんな場所か”でも大きく左右される。
だからこそ、議論の余地があるし、議論すべきだとも言える。フォーカスするべきは誰のどんなタイミングなのか、自社サービスはどんな場所なのか。
そういった核についての議論もなされるのは、いいところかも。一人でも擬似的に対案をぶつけて評価することが可能だ。
可能モデルな狩野モデルだ。
今は地上波でプロ野球中継は減ったけれども、かつては地上波で放送し、試合が長引いたときに放送枠を延長するかどうかはかなり議論がされたに違いない。
プロ野球中継を見ているファンにとっては性能品質要素になる。
延長して放送されることは“好ましい”。そして延長しないで終わってしまうことは“好ましくない”
一方で、9時からのテレビドラマを毎週録画している人は時間がずれて録画ミスしたりする。
(昔は番組追従なんてできなかった)
こういう人にとっては、すぐ分かる通り逆品質要素になる。
こういった議論はとても重要な時間だと思う。視聴率などの価値評価から何を優先すべきかを議論していたのではないかと思う。
特に関係しないけど、美味しかったさくらさくらのランチ
写真がとても綺麗に撮れていたので掲載。