2018年から日本のプロ野球で導入されたビデオ判定の制度。
審判がジャッジした結果に対して両チームの監督が
「ちょっと今のプレイをビデオで見て、もう一回判断してくれませんかね?」
とリクエストすることができる制度。
リクエストされた審判はビデオ検証でジャッジした結果が
間違っているということが確認できた場合に最初のジャッジを訂正する。
ビデオを見た結果、元のジャッジがあっている場合はもちろんだけれども、
ビデオを見ても微妙だったりわからない場合も元のジャッジを優先する。
実は待望だったらしい。
昔から「ビデオ判定」「リプレー検証」のニーズが高く、試合を左右する場面でのミスジャッジをなるべく減らしたいというもの。
中継を見ていると多くの試合で、リクエストの場面を見られる。
ちなみに回数や成功率はこんな感じらしい。
リクエスト回数(7/31まで)
310リクエスト成功数
110リクエスト成功率
35.5%
微妙なタイミングでも半分以上は審判が正しいってことなのかな。
ただ、110回もミスジャッジを減らすことができたという点において、この制度は元の目的を果たすことに貢献していると言える。
ただ、リプレー検証の結果、誤った訂正をしてしまったようなケースや、ファンがどうにも煮え切らないケースがいくつかあった。
2018年5月3日、ヤクルト-中日戦
中日、亀澤の押し出し死球で一時逆転 リプレー検証でも判定覆らず
同点で迎えた7回の表、中日の攻撃、一死満塁で代打亀澤は空振りするも、投球が足にあたり押し出しデッドボールの判定で、1点を勝ち越し。ヤクルト小川監督のリクエストも。。。「スイング判定」についてはリプレイ検証対象外という理由で、判定は覆らなかった。
この試合は、ヤクルトがサヨナラ勝ちをおさめたため、結果的にはドラマチックな勝利演出となった。
2018年6月22日、ソフトバンク-オリックス戦
延長十回にソフトバンクの中村晃が放った打球のリプレイ検証で、判定はファウルからホームランに変更になった。この試合は結果このホームラン判定がひびいてオリックスが負けた。
そして、、、試合後に審判団が検証した結果、ファウルだったことを認めた・・・
2018年6月29日、ヤクルト-阪神戦
野球の中でもマニアックなプレイなんだけど・・・
七回にヤクルト代打荒木の打球を捕った北條が、二塁走者の藤井にタッチをかいくぐられ、セーフの判定になった。こちらではリプレイ検証の対象外であるとかなんとかで、検証されず、そのままセーフの判定となった。このプレイをきっかけに、決勝点が入り、阪神が負けた。
この試合も試合後に審判団が検証した結果、誤審であったことを認めた・・・
どうにも煮え切らない結果というのは、まぁ以前からあったものだし、新しく導入したばかりであるがゆえに、うまく行かないこともあるといえばある。
もちろん、気持ちはわかる。。。
ビデオ見て誤審するとはなんたることか。メジャーリーグではもっと高度なシステムを導入しているじゃないか。
とりあえず、ぼくは野球をエンターテイメントとして見たときに得たものと失ったものを思い返して見た。
新しい一体感
選手も含めた球場全体やテレビの前の皆さんがバックスクリーンで流されるリプレイ映像に釘付けになり、その瞬間で盛り上がったりっていうのはけっこうたまらない。
この点では野球はとてもおもしろくなった。
監督や選手の猛抗議がなくなってしまった。
猛抗議は時間の無駄になっている面もあったけど、やっぱりそれなりにおもしろいものだった。ちょっと寂しい思いはある。
とりあえずリクエストによる時間の無駄
試合終了の場面でしばしば見られる、とりあえずリクエストしておこうの精神により、勝利の余韻に水を差されることがたまにある。
総じて、ポジティブに一体感を楽しんだらいいと思う。
あとはモラルとか、監督たちが節度を持って、制度を利用するのがいいと思う。
例年どおり、今年もプロ野球はおもしろい!